柿右衛門の花瓶ほか美術品多数を買い取らせていただきました

買取品詳細

スタッフから一言

本日は東京都 調布市のお客様より遺品買取のご依頼をいただき、
小畑柿右衛門の花瓶ほか美術品多数を買い取らせていただきました。

【小畑柿右衛門】
小畑柿右衛門は十二代酒井田柿右衛門と共同出資という形で1919年に柿右衛門合資会社を設立。
十二代は自らの出資金を「角福」という商標登録を会社に譲るといった形でその代用としました。
会社の代表になった小畑は丸山に窯を新築し、取締役の一人になった十二代の窯南川原と共に二つの窯で作品制作を行いました。
しかし、間もなく量産品の作品を重視する小畑と美術品として優れた作品制作に重きを置く十二代との間に確執が生まれ、
1929年には十二代が会社を脱退する事態に至りました。
その後、十二代は作品の裏に「柿右衛門」の文字を入れ、
商標登録を受けた小畑は「角福」のマークを使いその脇には「柿右衛門謹製」の文字を入れ、
作品の差別化を図りました。
しかし、この区別がその後1951年に毎日新聞で連載されていた小説の中で、
合資会社の作品を主人公が「ニセ柿」と呼ぶフレーズがあり、
憤慨した小畑が小説の作者を名誉棄損で訴えるといった裁判沙汰にまでなりました。
その後、1957年にはようやく佐賀県知事や鍋島直紹などの仲介により和解が成立しました。
1969年には満50年の契約期間が過ぎ、商標「角福」は柿右衛門に戻されましたが、
柿右衛門窯は今まで使っていた「柿右衛門」の文字を使い続け、
改めて「角福」というマークは使用せず作品制作をつづけました。
一方合資会社側は心機一転の新しいスタイルを求め「仁和窯」を創設し、
その後「仁窯」と改名し現在でも作品制作をしています。

作品の多くが購入当時の箱(共箱)で保管されており、当方としても高評価が出来ました。

この度は当方にご連絡いただけてまことにありがとうございました。